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第5章-6 ギアーズ:G16-デスサイト
天井の巨大なハッチが完全に開き、重力さえも捻じ曲げるような圧力が辺りを支配した。
漆黒の装甲、死神の鎌を思わせる巨大なブレード、そして、これまでのギアーズとは一線を画す「意志」を感じさせる冷徹な単眼。エリアG-16の名前を冠した最終防衛システム、**『G16:デスサイト』**が静かに舞い降りる。
「……何、このプレッシャー……。今までの子たちとは、格が違うのです……」
エイミーの声が震えていた。デスサイトがその鎌を一振りしただけで、加勢に来ていたカタナたちの重火器は紙クズのように切り裂かれ、部隊は一瞬で戦闘不能に追い込まれる。
「みんな! 下がって!」
ねねが叫び、武器を振るう。しかし、デスサイトの動きは速すぎて捉えきれない。背後から迫る鎌の刃が、ねねの喉元に迫る。
「危ないのです!」
エイミーが展開した最大出力の障壁。だが、デスサイトの攻撃はそれを容易く粉砕した。破片が飛び散り、ねねを庇ったエイミーの体が鮮血に染まる。
「エイミー!!」 「……大丈夫……。まだ、やれるのです……」
膝をつきながらも、エイミーは必死にねねの傷を癒そうとする。だが、彼女自身の消耗も限界に達していた。 デスサイトの単眼が怪しく光り、追撃のエネルギー砲がチャージされる。この至近距離で放たれれば、二人とも跡形もなく消し飛ぶだろう。
「ねね……聞いてほしいのです。この子は……このデスサイトは、外側からの攻撃では倒せない。でも、今の攻撃で分かったのです。この子の胸部にあるハッチ……そこだけが、唯一『マスターキー』に反応して開く構造になっているのです」
「エイミー、何を……」
「私に策があるのです。私が、あの子の注意を完全に引きつける。その隙に、ねねはあの子の内部へ飛び込んでほしいのです!」
エイミーの瞳には、迷いのない決意が宿っていた。
「ダメだよ! そんなことしたら、エイミーが……!」 「信じてほしいのです。ねねなら、この悲しい機械たちの連鎖を止められる。……私は、ねねに会えて本当に良かったのです」
エイミーが立ち上がり、自身の全魔力……あるいは全システムを暴走させるような、眩い光を放ち始めた。
「――こっちを向くのです、死神さん!!」
エイミーが放った極大の光の波動が、デスサイトを飲み込む。驚愕したように動きを止めるデスサイト。その胸部、マスターキーに呼応してわずかに開いた隙間を、エイミーは見逃さなかった。
「今なのです! 行くのです、ねね!!」
「エイミー――っ!!」
ねねは涙を拭い、エイミーが命を懸けて作った「道」へ向かって地を蹴った。デスサイトの反撃がエイミーを襲う中、ねねは吸い込まれるように、巨大な機械兵の内部、暗い迷宮の奥底へと飛び込んだ。
背後で激しい爆発音が響き、エイミーの気配が遠のいていく。 止まれない。止まることは許されない。
ねねはノックスから託された解析データを頼りに、機械の脈動が聞こえる内部通路を、がむしゃらに突き進んだ。
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