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第5章-6 ギアーズG-16機械の神デスサイト
エリアG-16の中心地。昼時とは思えぬ暗黒の嵐が渦巻き、金属の匂いが鼻を突く。 その頂点に鎮座するのは、巨大な『瞳』——デスサイト。冷徹な紅いレンズが、二人を射貫く。

「行こうか、エイミー」「覚悟は決めたのです、ねね」 二人が地を蹴ると同時に、地鳴りのような声が響いた。 『ギアーズヲ惑ワス者ヨ、汝のチカラデマスターノ証明ヲセヨ』

「最初から全力で行かせてもらうわ!!」 ねねは戦闘モードになり魔法陣を展開する。

召喚された3体の巨大なデーモンの王が召喚される。ねねの最大出力による神の召喚である。

デスサイトも応戦するように巨大な機械の戦士を呼ぶ。おそらくギアーズのナンバーを持つ者だ。

召喚されたデーモン達も力を開放し、拘束器具が砕け散る。

『我ハG-11、侵入者ヲ裁ク者…破壊スル』
警告をしたと同時に高出力のレーザーが降り注ぎ、空が赤く染まる。

デーモンはレーザーを軽々と弾く。ねねが召喚したのは古代の魔界の王。
通常の攻撃が通じる相手ではない。

召喚の代償は大きく、秒単位でねねの体を召喚の呪いが蝕む。
「さすがに古の魔王の召喚は負荷が高いわね。この体…持って3分程度…。一発で終わらせるわよ」

3体のデーモンが詠唱を始める。辺りの空気が淀み始める。
鉄は錆び、僅かな植物は枯れ、空気は毒に包まれる。世界が腐敗し始めた。
自己再生機能を持つギアーズでさえ、その腐敗のスピードに飲み込まれる。

「ギ、ギギギ、、」
G-11は自らの核を腐敗した体と分離する。錆びついた体が力なく、デーモンの前に崩れ落ちる。

さらに腐敗が進み、完全な残骸になる直前…G-11の捨てられた体の目が光る。

巨大な爆発と共に激しい光の衝撃がデーモンを貫く。自らのほとんどのエネルギーを錆びた体に残し巨大な爆弾と化していたのだ。

デーモンの一体が消滅し、その魂は魔界に還っていく。
残った2体のデーモンがデスサイトに向けて腐敗の詠唱を唱え始める。

腐敗の呪文がさらに密度を上げる中、砕け堕ちたのはデーモンの体だった。

デスサイトによるデーモンの解析が終わり、その体を分解し始めたのだ。
この空間にはデスサイトが飛ばす目に見えない程のナノボットで満たされている。
解析されれば破壊されてしまう。

ねねはエイミーの力でこのナノボットから守られているが、急激な消耗と回復を続けていて体が限界に達していた。

2体のデーモンは消滅したが、腐敗の詠唱はデスサイトに届いていた。
暗黒の瞳にヒビが生え、その隙間から黒い闇が噴出し始める。

「ゴゴゴゴゴゴ!!!」黒い闇は出力を増し続け、強力な磁場が発生する。

一瞬世界から光が失われた後『暗黒の機械の神』が浮遊していた。
無数の歯車を纏う異形の巨神——覚醒したデスサイトの出現である。

『キサマハ偽物ダ…排除スル』 黒い雷を宿しだ巨大な歯車が降り注ぐ。

エイミーがオーラで受け流す。「長くはもたないのです!」と苦悶しつつも、彼女は続くエネルギー砲を強引に捻じ曲げた。エネルギーの塊が背後の塔を貫通する。「この威力、直撃すれば一瞬で消滅するレベルね」そして、降り止まない歯車に緊張が走る。

二人の体力は瞬く間に削られ先に進めずにいると、上空から降り注ぐ歯車を何者かが斬りさき二人を守る。

その戦士は黄金に輝いていた。以前に戦ったG-8だ。
G-8はデスサイトに対話する。『コノ地ノ統率者、G-16 デスサイト…アナタハ知ラナイ…彼女ハ我々ノマスターデス』
『………』 デスサイトは解析している。『G-8…歯向カウノカ。ナラバ…我々ノ敵ダ』
G-8はデスサイトの放つ雷撃に貫かれ消滅する。

しかし、それは無数の分身の1体だ。空に輝く黄金の星のように無数のG-8の分身が現れる。

「なぜ、助けてくれるの……?」 困惑するねねにG-8が語り掛ける。 『ワタクシノ使命……ネネ、マスターノ証明ヲ…時間ガナイ、行キナサイ』

猛攻は続き、デスサイトが巨大な波動砲を放つ。G-8の分身が瞬く間に破壊されていく。

ねねは無意識に叫んでいた。 「解ったわ……エリス!」 知らないはずの名前が口をついて出る。

G-8は自らを犠牲にして壮絶な攻撃を防ぐ。そしてエイミーが作ったデスサイトへの道をねねは駆け上がる。
そしてねねは辿り着いた…ノックス博士に伝えられた目的地、デスサイト内部””マスター認証の地””。
エイミーの力によって束の間デスサイトは動きを止めている。

『ネネ…ココカラ最終試練デス、マスター認証ヲ失敗スレバ、アナタハ…消滅シマス』G-8が告げる。
デスサイト内部…そこは最も危険な場所。マスター以外が入った場合、確実な死が待っている。
ねねは決意と共に暗いデスサイトの内部の深淵へと飛び込んだ。
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