第6章-7 ネオライズ VS アメルダ

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第6章-7 ネオライズ VS アメルダ

アラクネが残した絶望の宣告から、きっかり1週間後。
ネオライズの最前線には、張り詰めた糸のような静寂と、むせ返るほどの土煙が立ち込めていた。

地平線の彼方から、地鳴りのような低い轟音が響き始める。空を黒く染め上げながら押し寄せてきたのは、アメルダ帝国の巨大な軍勢だった。先陣を切るのは、理性を失い破壊衝動のままに咆哮を上げる凶悪なダークヒーローたちだ。
「一歩も退くな! ここは私たちが築き上げた、私たちの帰る場所だ!!」

戦士達の覚悟が決まる。

そこにはネオライズに息づく全ての民が集まり、その存在をかけて立ち上がる。

覚悟を決めた戦士たちが一斉に武器を構え、機神のエンジンが鼓動を早めた。

「総員、撃てぇっ!!」

アカリの剣が振り下ろされたのを皮切りに、ついに全面戦争の火蓋が切って落とされた。

無数のエネルギー弾が空を裂き、鼓膜を破るほどの爆発音が大地を揺らす。

突撃してくるダークヒーローの群れに、ハクやウルフたちネオライズの戦士たちが真正面から激突する。剣と爪が火花を散らし、魔術と古代科学の光が入り乱れる。怒号と悲鳴が飛び交い、戦場は瞬く間に血塗られた混沌の渦に呑み込まれていった。

両軍の力が拮抗し、死闘がさらに激しさを増そうとした、その時だった。
――ズンッ……!!
突如として、戦場全体の空気が重く、冷たく凍りついた。
見えない巨大な手で心臓を鷲掴みにされたかのような、息をすることすら困難な圧倒的な重圧(プレッシャー)。暴れ狂っていたダークヒーローたちでさえ、怯えた獣のように動きを止める。

戦場を覆っていた分厚い硝煙が、不自然に真っ二つに裂けた。
その裂け目の奥、上空からゆっくりと一つの影が舞い降りてくる。
帝王オリジン。

「我が名は帝王オリジン、この世界全ての支配者だ!軍門に下るか、死か!!」

その身から放たれていたのは、ただの覇気ではない。底知れぬ「絶望のオーラ」だった。
彼が静かに大地へと降り立った瞬間、その場にいた者の多くが、己の意志とは無関係にガクガクと膝を震わせ、武器を取り落として地に伏せた。圧倒的な力の差という現実が、刃を交える前に戦士たちの心をへし折っていく。

死のような静寂が戦場を支配する中、オリジンは退屈そうに首を鳴らし、冷酷な視線をゆっくりと滑らせた。
群衆を掻き分け、ひれ伏す者たちを見下ろしながら、やがてその視線がピタリと止まる。

彼の視線の先――圧倒的な恐怖のオーラが吹き荒れる中、ひと際輝くオーラを纏う少女がいた。

「行くぞオリジン、、お前を地獄へ叩き落とす。」

家族の命、故郷や友…何もかもを破壊された少女、ネオライズの大将アカリがそこにいた。
彼女は決して目を逸らすことなく、真っ直ぐに帝王を見据えていた。その瞳の奥には、恐怖を完全に焼き尽くすほどの、赤蓮の復讐の炎が激しく燃え盛っていた。
かつて全てを奪った絶対的な強者と、全てを奪われた復讐者。
戦場の喧騒が消え去った世界で、二人の視線が、火花を散らすように激しく交錯した。

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