第6章-8 決戦 アカリ VS オリジン

・前の話
・次の話

第6章-8 決戦 アカリ VS オリジン

「……お前だけは、絶対に許さないっ!!」

アカリの咆哮が合図となり、主将達が覚醒し機神を纏う。

機神のエンジンが限界を超えて咆哮を上げ、覚醒のエネルギーが赤い復讐の炎へと染まっていく。彼女は大地を蹴り、その勢いのまま帝王オリジンへと突撃した。

機神の巨大な剣が、空気を切り裂き、帝王に振り下ろされる。

「フッ、いい威勢だ」
オリジンは避ける素振りすら見せず、不敵な笑みを浮かべた。彼の幾重にも重ねられた防御障壁がアカリの渾身の一撃を真正面から受け止め砕けた。
ドォォォォンッ!!

衝撃波が周囲の瓦礫を吹き飛ばし、大地に巨大なクレーターを穿つ。確実なダメージの手ごたえ。しかし、オリジンは倒れない。
「あぁ、久しぶりの痛みだ。清々しい。」オリジンはアカリの攻撃を楽しんでいるようだ。

「アカリ! 援護するっ!!」
ハクの声と共に、ネオライズの仲間たちが動いた。

ハクの纏う機神が神速の踏み込みでオリジンの死角から斬りかかり、ウルフの放つ高出力の狙撃弾がアメルダの戦士を撃ち落とす。
アレッサとスカーレットが影から忍び寄る。

「ハハハハハ! 素晴らしい! 束になって向かってくるがいい、ネオライズのカスども!」

オリジンは狂喜の笑声を上げ、巨大な魔神へと覚醒し全身から暴風のような呪力を放った。

しかし覚醒直後の僅かな硬直時間をネオライズの戦士は逃さない。

ウルフの弾丸がオリジンの体勢を崩す。

アレッサの結界でオリジンの呪力に僅かな傷・隙間を空け、スカーレットが背後からその弱点を突く。

さらにハクの斬撃が鈍い音を立てて胴を斬りこむ。
彼らの攻撃がオリジンの防御障壁を一つずつ破壊していく。

「グオォォ!!!キサマラ、、、!!許サン!!」
オリジンが攻撃に集中し闇の波動を暴発させネオライズの機神達を襲う。

「うあぁぁぁぁ!!」オリジンの波動がハクやスカーレットに直撃する。
「行け、、アカリ」崩れ落ちつつ、ハクの眼差しがオリジンに向けられる。

その邪悪なオーラを切り裂きオリジンの目前に現れるアカリ。

オリジンは攻撃に集中していたため防御障壁が弱まっていた。その隙をアカリの強烈な斬撃が捉える。

さらにアカリはとどめの一撃に跳ぶ。

戦地を見下ろす高台の上、桜花が『力の舞い』を踊りアカリのオーラが急上昇する。

「アカリ、、受け取って」

赤い炎と黒い炎が交錯する中、アカリの全力の一撃が振り下ろされる。

凄まじい衝撃、巨大な爆発がアカリとオリジンを包む。

荒れ狂った靄が落ち着きを取り戻す。

荒れ狂う煙が薄れた中から現れたのは、オリジンの拳で体を貫かれたアカリの機神だった。
崩れ落ち消えていく機神、地に落ち倒れるアカリ。打撃を正面から受け、指一本動かすことも叶わない。倒れた彼女の瞳はうつろに漂っていた。

オリジンも深いダメージを負っていた。魔神覚醒を解き、悠然とアカリのもとへ歩み寄り彼女を見下ろした。オリジンの目線は地上にいる多くのネオライズ戦士に向けられえていた。決着の刹那、アカリの攻撃範囲に入ってしまったネオライズの戦士達。彼らを庇ったアカリはオリジンへの攻撃を躊躇した。それが敗因だった。

「このゴミのような命を気に掛けるか…俺には理解できん」
その瞳には、敗者を慈しむ心など微塵もない。

「……貴様、俺が憎いか」
オリジンの静かな問いかけ。アカリの意識は朦朧とする中、最後の力を振り絞って彼を睨みつけた。
「……いいことを思いついた。その憎悪、試してやろう」

オリジンは残酷な笑みを浮かべると、動けないアカリの左手を取り、自身の指から『黒の指輪』を外し、その薬指に無理やりはめ込んだ。
「……!? ァアアアァァ!!!」
アカリの絶叫が、戦場を貫いた。

指輪がはめられた瞬間、凄まじい呪力がアカリの体内へ逆流した。全身の血管が黒く浮き上がり、細胞の一つ一つが地獄の炎で焼かれるような、常軌を逸した激痛が彼女を襲う。
「ハハハハハ! その指輪はな、俺のような『純粋な悪』でなければ、身を焼かれ、呪いに飲み込まれて死ぬ! 良い余興だな!!」

高笑いするオリジンの前で、彼女は体から真っ黒な炎を噴き出し、周囲の瓦礫を呑み込みながら、やがて空を衝くような、巨大で不気味な黒い竜巻へと変貌していった。

絶望と呪いが渦巻く嵐の中心で、今、、、何かが目覚めようとしていた。

・前の話
・次の話